研修会名:第28回松山CDEオープンカンファレンス
地 区:中予
開 催 日:平成27年 2月 6日(金)
場 所:ひめぎんホール 3F 大8会議室
参加者内訳:医師 1名・薬剤師 4名・看護師 13名・管理栄養士 1名
・臨床検査技師 1名・作業療法士1名・薬学生1名 計 22名
記入者:渡部佳子(愛媛県立中央病院 薬剤師)
研修会の内容:
メインテーマ 『患者さんにあったフットケアをもう一度見直そう。』
研修報告:
今回は、糖尿病患者さんのフットケアに注目しました。
特別講演では、愛媛県立中央病院 皮膚科医師 大津 雅信 先生より、「糖尿病患者さんへの皮膚科治療」と題して、御講演いただきました。
先生が今まで診てこられた数多くの症例と、陰圧閉鎖療法、VAC療法などの具体的な治療法をわかりやすく説明してくださいました。
日頃、患者さんの足を見る機会が多い職種の方からは、「治療方法がよくわかった。」と好評でした。また、あまり見る機会がない職種の方は、実際の生々しい足の状態に驚きを隠せない様子でした。
ほんの小さな傷だったのに数日であっという間に皮膚が変色し、血行状態の急激な悪化で壊死してしまい、治療の甲斐なく切断となってしまう、そして、足指を1本、2本、3本と切断せざるを得なくなり、次第に全身状態も悪化して命を落としてしまう・・。
医療従事者の無念が伝わる症例がありました。
改めて、患者さんがいかに糖尿病に対して正しい知識を習得し、ご自分のお身体の状態を把握して、CDEをはじめとするスタッフとともに治療を継続していくかが重要であると感じました。
次に、「外来・教育入院におけるフットケア」と題して、愛媛県立中央病院看護師 川田純子先生、「皮膚科病棟でのフットケア」と題して、愛媛県立中央病院看護師 兵頭 佳代子先生が講演されました。それぞれの病棟で実際にどのようにフットケアで関わりを持っているかが紹介されました。同じ病院内でも、病棟が変われば入院されている患者さんの病態が異なるため、足病変を作らないように予防するのか、足病変をこれ以上悪化させないようにケアをするのか、など、「ほかの病棟での様子がわかってよかった」と好評でした。
グループディスカッションでは「それぞれの立場でできること、するべきことを考える」ということで話し合いました。糖尿病があっても他の疾患の治療のために入院された場合は、治療の優先順位が変わってしまい足の観察がおろそかになっていたので気をつけようと思う、とか、患者さんと関わるときに、職種を問わず足をみる機会があればみたらよいなどと具体的に活動内容が挙げられました。また、大津先生の症例の中で、男性の症例が多かったことに気づき質問がでると、女性は自分で自分の足を見る機会が男性と比べて多いからではないか、というお答えをいただきました。
インフルエンザ警報が発令中の極寒の日でしたが、CDEの皆様の経験と情熱で今後の療養指導につなげていっていただけたらと思います。
第 28 回松山CDEオープンカンファレンス アンケート集計
2015 年 2 月 6 日(金)開催 28 名参加 回収枚数 21 枚(回収率 75%)
Q1.職種
看護師 13人
管理栄養士 1 人
薬剤師 4 人
検査技師 1 人
その他(作業療法士 1 人、 薬学生 1 人)
Q2.糖尿病療養指導士(CDE)の資格
日本 CDE 1 人
愛媛 CDE 11 人
両方ともあり 4 人
未取得 4 人 (取得希望 1 人)
Q3.研修会参加回数
初めて 3人
2-5回 5人
6-9回4人
10-15回 3人
16回 以上 2人
20回以上 4人
Q4.特別講演「糖尿病患者さんへの皮膚科治療」はいかがでしたか?
よく理解できた 5(9 人) – 4(10 人) – 3(2 人) – 2 – 1 理解できなかった
感想:写真をたくさんスライドに載せていただいたのでわかりやすかった。
基礎知識の確認と症例の実際が把握できた。
症例がたくさんあって勉強になった。症例が聞けてよかった。
糖尿病と皮膚病変との関連がよくわかった。治療、処置、経過状況、
現状がよくわかった。
足は、大切にしないといけないと強く感じた。
資料があればよかった。
Q5.「各領域からのフットケア」はいかがでしたか?
よく理解できた 5(9 人) – 4(9 人) – 3(3 人) – 2 – 1 理解できなかった
感想:皮膚科病棟との連携も大切だと思った。
8 日間パスに短縮したことにより、フットケアの講義以外に足の
チェックをすることがおろそかになっていたな、と気がついた。
重点的に足の観察を行っていきたい。
Q6.グループディスカッションはいかがでしたか?
これからの支援の手がかりをつかめた
5(9 人) – 4(7 人) – 3 (5 人)- 2 – 1 つかめなかった
感想:他職種とディスカッションすることでお互いの患者さんへの指導や
工夫を確認しあうことができた。
他の施設の方の意見も聞きたかった。
検査技師との協力も必要であるので実践にうつしていきたい。
Q7.今後、松山 CDE オープンカンファレンスで取り上げて欲しいテーマ〔複数回答可〕、ならびに、ご要望等をお書き下さい。
症例検討(4 人:困難な症例)各職種別のワーキング(2 人)
運動療法(3 人) 疾患や合併症(3 人)
地域に貢献できること(5 人:CDE アピール、予防活動、出張糖尿病教室
CDE の資格を具体的にどう啓蒙できるか)
食事療法(4 人) 薬物療法(2 人)
その他(フットケアの実践、爪切りレクチャー)