日 時: 2024年7月12日(金)18:50~21:00
会 場:愛媛県薬剤師会館
参 加 人 数: 40名
職 種:看護師12名、薬剤師13名、臨床検査技師6名、
医師3名、管理栄養士3名、
歯科医師・理学療法士・作業療法士 各1名
記 入 者: 武市 佳己
研修会内容:
テーマ:『災害の備えから対応まで』
司会進行:別所眼科看護師 若江 美千子 先生
愛媛大学医学部附属病院看護師 日野 千秋 先生
【一般講演】
「 災害関連死を防ぐために
~令和6年能登半島地震におけるJRAT活動~ 」
演者:松山リハビリテーション病院 リハビリテーション部
作業療法士 菅 隆一 先生
特別講演:重症下肢虚血に対する血管内治療
座長 愛媛県立中央病院
糖尿病・内分泌内科医監部長 明坂和幸 先生
演者 愛媛県立中央病院 循環器内科 青野哲哉 先生
令和6年元旦に起きた能登半島地震における日本災害リハビリテーション支援協会;JRATの一員として、各避難所で行われた支援内容についてご発表頂きました。避難所の階段の段差に対して速やかに手すりが設置されるなどして環境が改善されていき、作業療法士ならではの職能を発揮されていました。
「 災害時の栄養管理 」
演者:愛媛大学医学部附属病院 栄養部 永井 祥子 先生
2018年7月に起きた西日本豪雨における栄養士会の活動について実際に支給された食事内容を当時の画像を見ながら食事の摂り方や栄養補給の工夫・注意点についてお話しいただきました。支給される食事はその被災地のライフラインの影響を大きく受け、道路が寸断されているところではカップ麺やパンなど高カロリー食に偏り、たんぱく質や食物繊維の栄養素が不足する状況が長く続き、便秘や下痢、口内炎や貧血などがみられたり、糖尿病や高血圧の持病の悪化がみられ、注意を要することを知りました。自衛隊からの食糧供給もいつ届くか分からないことから、日頃から数日分の食事・飲料水の備えの大事さを患者さんにも伝える必要があると思いました。
「 災害対策の現状と課題 」
演者:愛媛大学医学部附属病院 薬剤部 武市 佳己 先生
愛媛大学病院や薬剤部における防災の取り組みや備蓄薬について、各卸・門前薬局における災害対策の状況に関するアンケート結果をお話しした後、今までの自然災害から災害医療の変遷についてご紹介しました。その上で今後はDMAT・JMATなどの育成や近隣薬局との連携、インスリン依存患者へインスリン製剤を速やかに供給する体制づくり等が課題として考えられました。
「 糖尿病患者の災害への備え 」
講師:愛媛大学医学部附属病院 糖尿病内科 髙田 康徳 先生
いつ起きるか分からない南海トラフ大地震などの大災害に備えて、インスリン依存の患者さんにおいてはかかりつけの医師がインスリン依存証明カードを発行または指定のQRコードを患者さんに提示して登録してもらうことをJADEC-愛媛;愛媛県糖尿病協会が窓口となって今後取り組まれることについてご講演いただきました。インスリン依存の患者さんはインスリンを避難時には持ち出すことや、もし薬を持ち出せなかった場合はご自身がカードやお薬手帳などを活用して医療者に情報を提供してもらうことなど、患者さんに事前に災害の備えについて指導しておくことや、私たち医療者はインスリン依存の患者さんのリストアップして事前に準備しておくことが重要と感じました。
南海トラフ大地震では広域での発災が予想されており、愛媛県下の病院は十分に機能しない可能性があります。患者さん自身にも自助が重要になることを知っていただくよう、私たちCDE;糖尿病療養指導士が果たす役割があると感じました。