愛媛地域糖尿病療養指導士研修委員からの情報のおすそ分けです。
Medical Tribune 2003.8.21より
NPクリニックの糖尿病管理レベルはレジデントと同様
[米カリフォルニア州アナハイム] ミシシッピ大学医療センター(UMC、ミシシッピ州ジャクソン)の薬剤師 Kristi Kelley 博士らが行った後ろ向き研究によると、2型糖尿病患者の管理を担うナースプラクティショナー(NP)クリニックは、増え続ける糖尿病患者に質の高いケアを 提供するうえで有効な手段であるようだ。研究結果は、米国ナースプラクティショナー学会年次集会で発表された。
内科レジデントと比較
Kelley 博士らが医療センターでNPクリニックと内科レジデントのケアのレベルを血糖コントロールで比較したところ、NPクリニックが提供したケアのレベルは、内 科レジデントが提供したケアのレベルと少なくとも同等だった。一部の項目では、むしろ内科レジデントが提供したケアより勝っていた。
比較検討の研究方法として、NPクリニックで治療を受けた糖尿病患者42例と、内科クリニックでレジデントの治療を受けた糖尿病患者87例のカルテ を検討した。患者の平均年齢はNP群49歳、内科レジデント群54歳。全例が最低6か月間治療を受けており、最低3回受診していた。血糖値、血圧値、脂質 コントロール、アスピリン療法、眼底検査、微量アルブミン尿およびACE阻害薬の使用など糖尿病管理と糖尿病合併症に関連する指標項目すべてについて評価 を行った。治療開始前の平均HbA1c値はNP群10.1%、内科レジデント群8.6%だった。
米国糖尿病学会(ADA)が設定した治療目標、すなわちHbA1c値7%未満の達成度は、NP群で33.3%、内科レジデント群で37.9%とほぼ互角だった。HbA1cの平均検査回数は順に3.9回、3.4回、眼底検査を受けた割合は33.3%、18.4%だった。