レポート
ケーススタディを評価するためのチェックリスト
[愛媛チーム医療研修会] 2007年03月19日
2003年9月13日に行われた第3回愛媛CDE研修会で、糖尿病のケーススタディの進め方について講義が行われました。ケーススタディを評価するためのチェックポイントを示しています。ケースをまとめる際に評価してみてください。
表題
- タイトルから、このケースレポートで主張する内容が把握できるか
はじめに
- ケーススタディをするに至った動機が述べられているか
- ケーススタディの主題(目的)が明確に述べられているか
- テーマの重要性・スタディの必要性にふれているか
- ケースを検討する方法が明記されているか(内容は下記「方法」のポイントに順ずる)
- 基盤とする理論・概念枠組み・考え方・視点(看護観)などが、明記されているか
方法
- どのようなデータ(情報)および資料(記録など)を使用するのかが述べられているか
- データはどのように集めるのかが述べられているか
- データをどのように分析/検討するかが明確になっているか
- 目標を達成するのにふさわしい方法であるかどうか
事例紹介
- 入院前(今回の看護職とのかかわり以前)のケースの状況・経過が簡潔に記述されているか
- 入院中(今回の看護職とのかかわり期間)の経過が簡潔に記述されているか(看護の経過について次の項で記述する場合は全体的な流れを簡単に記載)
- 家族などの患者を取り巻く状況について、簡潔に説明されているか
- その他、ケーススタディを読み進めるのに必要な情報が記述されているか
看護(医療)の実際と経過
- 看護問題(看護診断、看護の視点)が導かれた経過が簡潔に記述されているか
- 看護問題(看護診断、看護の視点)が一貫性をもって整理されているか
- 看護問題(看護診断、看護の視点)ごとに目標と実践が記述されているか
- 全体的な経過が読者にイメージできるようにまとめられているか
結果
- 「結果」は「方法」の項で述べた分析方法によって導かれた内容になっているか
- 用いた理論などに基づいて論理的に導き出されているか
- 「結果」の示し方は目的に沿っているか
考察
- 「看護の実際と経過」「結果」についての考察になっているか
- 「考察」は理解できるように記述されているか
- 独りよがりになっているか
- 適切な参考文献を参照しているか
- 引用文献がある場合、適切に引用されているか
まとめ(結論・要旨)
- 全体のまとめになっているか
- 感想文になっていないか
- これからの課題が適切に引用されているか
文献
- 適切な文献が用いられているか
- 著者、論文名、雑誌名、巻/号、ページ、発行年(書籍の場合:著者、書名、出版社、発行年)など、適切な表記方法がとられているか
謝辞
- ケーススタディを行うに当たって特に指導を受けた場合に、記載されているか
全体をとおして
- 構成は十分に検討されているか(重複や不足はないか)
- 用語の不統一、不適切な用語(省略語など)はないか
- 論理的配慮は適切になされているか(論理的配慮点については必要時「方法」に記載)
- 特に、対象者のプライバシーは保護されているか
- ケーススタディが意義のあるものであるかどうか
引用文献
ケーススタディを評価するためのチェックリスト
- 松本孚・森田夏実編(2001) -わかりやすいケーススタディの進め方-
- 研究テーマの設定からレポート作成のポイントまで-、照林社、東京