レポート

第34回松山CDEオープンカンファレンス 研修会便り

[中予 / 地区便り] 2017年03月07日
研修会便り

研修会名:第34回松山CDEオープンカンファレンス
地  区:中予
開 催 日:平成29年2月10日(金)
場  所:ひめぎんホール3F 第8会議室
参加者内訳:医師 2名 ・薬剤師 14名 ・看護師 14名 ・栄養士 2名
      臨床検査技師 7名   ・・・計 39名
記 入 者:渡部 佳子

【研修報告】
 今回は、低血糖=ブドウ糖で本当にいいのだろうか?ということから「低血糖とその対処方法」に着目しました。

 講演1は、県立中央病院 糖尿病内分泌内科 明坂 和幸 先生に「低血糖とその対処方法」と題して御講演いただきました。ブドウ糖1g摂取でどのくらい血糖値があがるか?という質問でスタートしましたが、正答率は低かったです。5㎎/dl程度だそうです。えーっという声も上がりました。1型の方だと30分後にはまた下がってしまうこともある、だから低血糖の時はブドウ糖をケチらない!!と強調されました。15/15ルール、服薬状況の確認も重要です。また提示された症例は、夜中に奇声をあげて救急搬送された90歳女性が低血糖だったと診断されるまでに時間を要した、というものでした。低血糖症状は人によって様々な症状が現れること、高齢者は肝腎機能が低下しており薬剤の影響を受けやすいこと、服薬状況の確認すること、スタッフ間で情報を共有することが重要であると説明されました。

 講演2は、済生会松山病院 薬剤部 副薬局長 高垣 純子 先生に「薬剤性低血糖と薬剤師の低血糖への取り組み」と題して御講演いただきました。糖尿病治療薬は近年、DPP-4 阻害薬、SGLT-2阻害薬、更に合剤が発売されるなど薬剤が増え、ややこしいという声もよく聞きます。ここでは、インスリン分泌機構と薬剤の作用機序について丁寧にわかりやすく教えていただき、ある程度整理して考えることができるようになったのではないかと思われます。さらに、インスリン分泌促進系の薬剤は低血糖の発現リスクが高いこと、α-GIについて低血糖時にはブドウ糖で対応すること等、重要なポイントも説明していただきました。

 ディスカッションでは、まずテーブルごとのグループで、それぞれの施設で低血糖の指導をどのようしているかを話し合いました。その後、事例1)高齢者、事例2)小児について、グループごとにどちらかを割り当てて、低血糖が発現した要因とその対応について検討し、その結果を発表しました。各職域の視点において低血糖が起こった原因を探っていくことは、逆に低血糖を予防することにつながります。今回初めて参加された方は、「すぐに現場で役立つ内容で、他の施設の方々といろいろと話し合えてよかったです。次回も参加したいです。」と話されていました。

 日本列島に冬将軍が押し寄せた時季でしたが、皆で学びあい、熱く語らいあえた貴重なひと時でした。


***以下の松山CDEアンケート結果についての無断引用は固く禁じます。***







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